江戸時代には、大晦日に家族で除夜の鐘を聴きながら「七味五悦三会(ひちみごえつさんえ)」を語るという風習があったらしい。
今年はじめて食べたおいしいものが七つ、楽しかったことが五つ、はじめて会って嬉しかった人が三人あれば、「今年はいい年だったね」と喜ぶとのこと。
ささやかだけれど心豊かでいい風習だなと思う。
そのことを鴻上尚史さんのコラムで知って以来、個人的に振り返るようにしているが、いつもなかなか数を満たすことができない。
今年も数は満たせないが、振り返ることにする。
七味
今年はなんだかグミをよく食べた。
常に4〜5種類のグミを備蓄して、それぞれを日々2〜3個ずつ、前年比でいえば1000%以上食べていると思う。
毎日がグミパーティだ。
最近では、カンロのピュレグミのとちおとめ苺スパークリングもおいしかった。
はじめての味ではないけれど心に残っているのは、このブログにも書いたスパ吉のミートソース。
ちなみに、心残りは、井村屋のこしあんバーに出会えなかったことだ。
あずきバーの50周年を記念して発売されたこしあんバージョン。
こしあん派の自分としてはぜひとも試したかったが、数量限定だったのですぐに売り切れてしまったらしい。
五悦
なんといっても、猫との暮らし。
本当に、猫に日々助けられている。
毎週の楽しみだったのは、大河ドラマの「どうする家康」。
大河ドラマを最初から最後まで見たのははじめてのことだ。
戦国時代や家康公に思い入れがあったわけでもないし、主演の松本潤さんや脚本の古沢良太さんのファンというわけでもなかった。
たまたま第1回を見たから次も見てみるか、くらいの軽い気もちだったが、総集編まで見終えたいまとなっては「これがロス現象か……」という状態にある。
元気があれば、後日あらためて振り返ろうと思う。
リーグ優勝したときには、まさか日本シリーズまで優勝するとは思わなかった。
あんなに熱心に野球の試合を見たのもはじめてだ。
勢いで優勝記念グッズも注文してしまったし、Apple Music Replayで自分の今年よく聴いた曲ランキングを見てみたら、オマリーの「六甲おろし」が第2位だった。
うかれすぎである。
三会
新しい出会いはほとんどなかったが、職場の元同僚と10年ぶりくらいに再会できたのは良かった。
一緒に仕事をしていた頃は、よく飲みに行ったり、フットサルをしたり、フットサルが終わってから飲んだり、夏休みに高尾山に登ったり、下山してから飲んだりしていた。
つまり、だいたい飲んでばかりいた。
あの頃の彼はいつもにこにこ笑って、みんなによくいじられていた。
いまも変わらずにこにこ笑って、自分の話をしていても、他の人が話をはじめるとすぐに話題を譲ってしまって、それを楽しそうに聞いている。
ああ、この人はこういう人だったなと思い出して、あらためてしみじみと、いい人だなと思った。
能天気なことをひととおり書いたが、世の中はますます不安定で、心を痛めることも多い。
自分の身体とメンタルも不安定だけれど、来年も猫を大切にしつつ、穏やかに暮らしていけたらいいなと思う。