阪神タイガースがついにリーグ優勝した。
応援していると言えるほど熱心ではないけれど、
父が阪神ファンだった影響で、
いまだに「阪神勝つといいな」とぼんやり思う癖がついている。
刷り込みとは恐ろしい。
子どもの頃はわけもわからず阪神の野球帽をかぶらされていたし、
普段は「漫画を読むと頭が悪くなる」と言われていたのに(昭和の頃はそういう意見の人が少なからずいた)、
高橋春男先生の『GO GO虎エ門』はむしろ推奨された。
家にテレビが1台しかなかったので、
試合中継がある日にテレビを独占されるのは嫌だった。
父は阪神が勝てば機嫌がよく、負ければずっと文句を言っていた。
家庭内の多数派がサッカー派になったことで、テレビの独占権を失ったときは、
サッカーの文句ばかり言っていた。
そのわりに、父が球場に行っていた覚えはほとんどない。
甲子園にもたぶん一度しか行かなかったんじゃないかと思う。
母とふたりで観戦ツアーに参加したものの、
「応援がうるさくて試合どころじゃなかった」と文句を言っていた。
しかしメガホンはちゃんと買ってきていた。
こうやって思い出すと、いつも文句しか言っていない。
父が亡くなった後に遺品を整理して、雑誌、VHS、応援歌の入ったCDなど、
阪神関連のものが思ったより多くて驚いた。
プロ野球人形の「イレコミ君」もいつからか我が家にあった。
もうだいぶ日焼けしてしまったし、少し動かすとすぐにバットを落としてしまうけれど、
いまでも阪神が勝った日はにこにこして、負けた日は泣いて、大負けした日は怒っている。
昨夜は「オマリーの六甲おろし」をかけてお祝いした。
生前の父にこれを聞かせたとき、楽しそうに笑っていたことを思い出す。
阪神タイガースのみなさまおめでとうございます。
CSも関東の片隅から見守っています。