スタバでコーヒーを飲んでいて、隣の席の女の子と男の子の会話が耳に入った。
これから2人で保護猫カフェに行くらしい。
女の子のほうは、猫が好きなのに猫アレルギーで、猫にさわるのは難しいけれど、別の保護猫カフェにも何度か行って、猫を眺めていると話していた。
猫が好きなのに猫アレルギー。
なんてせつない体質だろう。
自分も猫と暮らすことを考えはじめた頃に、そもそも猫アレルギーだったらどうしようと迷ったことがある。
ある猫カフェに行った後、一度だけ、くしゃみと鼻水が止まらなくなったことがあったのだ。
また、猫が原因ではなかったけれど、じんましんがひどくていろいろな薬を試していた時期もある。
ひとまず皮膚科に行って、アレルギー検査(特異的IgE抗体検査)をしてもらった。
「ネコ皮屑」のアレルギー判定は「クラス2」で、陽性。
先生によると、陽性の中では数値が低い方だけれど、悪化する可能性もあるから、猫は飼わないほうがいいでしょうとのことだった。
そんな。
諦めきれずに「猫 アレルギー」で検索していたときに見つけたのが、
「猫アレルギーですけど」というそのものずばりの連載だった。
著者の安田有希子さん(当時はヤスダユキさん)は、
猫と暮らして4年めに猫アレルギーが発覚したものの、
「こまめな掃除」「換気」「寝室には入れない」などの対策をして、猫との暮らしを続けておられた。
もちろん、命を預かるのだから無責任なことはできないけれど、
対策をして一緒に暮らすという選択肢があるならぜひそうしたい。
そう思って、猫を迎えるための準備を進めることにした。
その後、ご縁があって、
うちの猫がお世話になっていた保護猫カフェに何度か通った。
アレルギーらしい症状は一度も出なかった。
里親の申し込みをして、トライアル期間中もとくに問題はなく、
猫のほうも徐々に慣れてくれた様子だったので、正式譲渡となった。
それから5年近く一緒に暮らしているけれど、幸いなことに症状はまだ何も出ていない。
夜は枕のところに猫が来てくれるので、もふもふの毛の匂いをかぎながら眠りにつくという幸せを噛みしめている。
もしかしたら、そのせいでアレルギーが悪化している可能性もなくはないが……。
ちなみに安田さんの連載によると、9年めで夫さんもアレルギー(仮)を発症されたとのことなので、油断はできない。
対策もバージョンアップされている。
家に帰って猫を撫でながら、ひとりで感極まって、
この先何があってもきみとの暮らしを続けていくからね、と思いを伝えたけれど、
猫はなんだかよくわからないという顔をしていた。
聞き耳を立てておいて余計なお世話だけれど、
猫アレルギーの彼女にも、猫との無理のない関わり方を続けてほしいなと思う。